harbor's diary

プレイしたゲームのこととか、その他いろいろ

ジャンドから見るモダンの光景②

ダン環境のデッキと対峙する

ジャンド記事、2回目です。(前回はこちら
今回はモダンのメタゲームを考えて、ジャンドの立ち位置を考察していきましょう。
まず考慮に入れておかねばならないデッキを取り上げて、ざっとジャンドとの相性を考えたものを下にリストとして挙げます。

微不利
・バントエルドラージ
・アブザンジャンク
・赤緑トロン
・赤緑ヴァラクート
・トリコナヒリ
・白黒トークン
・白日スケープシフト
・青白コントロール

五分
・親和
・ナヤバーン
・ドレッジ
・ジャンド
・マーフォーク
・アドグレイス
・死せる生
・エルフ
・グリクシスデルバー
・白黒デスタックスエルドラージ
・グリセルシュート
・ソウルシスターズ

微有利
・感染
・SuperCrazyZoo
・ナヤブリッツ
・呪禁オーラ
・アブザンカンパニー
・トリコ昇天

《突然の衰微》や《終止》などのこちらの除去がほとんど無駄になるマッチアップや、《未練ある魂》のような横に並ぶカードを擁するデッキ、《風景の変容》のようにトップデッキから致命的なカードを叩きつけてくるようなデッキ相手には若干厳しさがあり、一方、こちらのハンデスや除去カードが腐らず有効に効くデッキ相手は与し易いといったイメージです。
ただ、バーンにとってのソウルシスターズや、アドグレイスにとっての感染など、デッキの存在意義から否定してくるような圧倒的な不利マッチアップは存在せず、サイド次第ではかなりの改善を図ることができます。
とにかく丸いデッキである、というのが良い点です。
個人的に現在のメタでもジャンドの立ち位置はわりといいんじゃないかなって思っていて、先週と今週で、30人規模、45人規模の大会にそれぞれ出てきましたが、両大会ともにTOP8になることができたので好感触は得ています。
ジャンド、使おう。

VS 親和

要注意カード
《電結の荒廃者》、《頭蓋囲い》、《刻まれた勇者》、《墨蛾の生息地》、《血染めの月》

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ダン界の代表格デッキ親和。
ダン環境の速度を定義付けているようなデッキで、まず真っ先に仮想敵として思い浮かべておきたいデッキです。
幸いなことにジャンドはアーティファクトを割ることのできる《突然の衰微》、《大渦の脈動》に加え、親和にとって天敵カードといって過言ではない《コラガンの命令》をメインから採用できるので、メイン戦を制することは難しくはありません
加えてサイドからは親和にとって鬼の1対2交換を迫らせるカード、《古えの遺恨》があるので、更に戦いを楽に進めることができます。
しかし、《電結の荒廃者》というこちらの除去カードが全くの無駄になってしまう厄介極まりないクリーチャーがいたり、万全な状態で着地した《刻まれた勇者》は誰にも止められません。
また、相手は手札の消費が激しいためにすぐにこちらのハンデス呪文の賞味期限が切れてしまいますし、場にはクリーチャーが横並びしがちなので《ヴェールのリリアナ》もそこまで有効ではない、つまりジャンドの基本戦術が効きにくいという問題があるため、総合的に見れば五分のマッチアップなのかなあ、というイメージです。

サイドアウト候補
《思考囲い》、《ヴェールのリリアナ》、《反逆の先導者、チャンドラ》
サイドイン候補
《古えの遺恨》、《粉砕の嵐》、《魂の裏切りの夜》、《大爆発の魔道士》、《神々の憤怒》、《ラクドスの魔除け》、《ジャンドの魔除け》、《真髄の針》

VS アブザンジャンク

要注意カード
《未練ある魂》、《ヴェールのリリアナ》、《包囲サイ》、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》、《鷺群れのシガルダ》

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ハンデスから《タルモゴイフ》、《ヴェールのリリアナ》の根幹を持つのはジャンドと同じなBGグッドスタッフ、アブザンジャンク。
ただ問題として決定的な差があるのはアブザンが持っている対フェアデッキ最終兵器《未練ある魂》でして、このカードの存在だけでアブザンジャンクはジャンドよりも微有利となっています。
《未練ある魂》は、手札上ではハンデスへの耐性を持たせることができ、盤面上では単体除去への耐性を持たせることができるので非常に面倒です。
普通にマナ効率を考えても、5マナ飛行4/4なわけですから飛行がガラ空きなジャンドにとっては強いですよね。
サイド後も言うほどは相性が改善されません。
相手の最速《ヴェールのリリアナ》に対して《強情なベイロス》を捨ててハメていくことができれば勝ちは近いですが、まあ運に左右される戦術ですから、《スラーグ牙》あたりで粘るのが無難でしょうか。
ゲームの焦点は《未練ある魂》のみにあるとも言えてしまうので、それだけをシャットアウトする《魂の裏切りの夜》を入れるのも悪くはないと思います。
ちなみに《鷺群れのシガルダ》なんてもんが着地したらこの世の終わりです、諦めて寝ましょう

サイドアウト候補
《コジレックの審問》、《思考囲い》、(《樹木茂る山麓》、《稲妻》)
サイドイン候補
《強情なベイロス》、《スラーグ牙》、《嵐の息吹のドラゴン》、《台所の嫌がらせ屋》、《魂の裏切りの夜》、《紅蓮の達人、チャンドラ》、《滅び》、《神々の憤怒》、《ゴルガリの魔除け》、《ジャンドの魔除け》、《大爆発の魔道士》、《血染めの月》、《ムラーサの胎動》、《苦い真理》、《光と影の剣》、《虚無の呪文爆弾》、《虚空の力線》

VS 感染

要注意カード
《墨蛾の生息地》、《荒廃の工作員》、《変異原性の成長》、《呪文貫き》、《台所の嫌がらせ屋》

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感染を一言で表すなら、「お前を殺すデッキ」、です。
デッキに入っている数種類の感染クリーチャーに対し、パンプアップ呪文を使って3ターン目か4ターン目くらいには相手に毒を10個以上与えます。
しかし、パンプ元のクリーチャー達はまったく除去耐性を持っていないので、ジャンドのすべての除去呪文が有効に突き刺さるマッチアップであります。
もちろん、感染側も相手から除去カードを打たれるのは分かりきっていることなので、回避すべく除去を避けながらパンプアップしてくる呪文《巨森の蔦》《顕在的防御》や青デッキの特権の《呪文貫き》のようなカウンターを用いてきます。
対処法を簡単に述べると、相手のとりあえずの戦闘に対してはこちらは動かずに1毒ずつ必要経費でもらい、戦闘が終了してからエンド前に除去を放つってのがジャンド側の基本的なムーブとなります。
こうすると相手は除去避けを持っていても戦闘中に使う札を失っていき、こちら側を殺すだけのパンプ呪文を用意することができなくなるわけです。
感染と対戦していると、優先権の受け渡しやインスタントタイミングの重要性についての良いお勉強となると思います。
デッキコンセプトからして基本的には有利なので、サイド後も先手でブン回られない限り苦労はしません。
あえて注意点を挙げるとするなら、ライフは関係ないと言って《闇の腹心》やショックランドでライフを削りすぎていると、《貴族の教主》やサイドインされた《台所の嫌がらせ屋》にパンプを使われて突然ライフの方を0にされるというプランBの負け方があることです。
ところで、感染のクリーチャーのなかで一番面倒なのは《突然の衰微》とソーサリータイミングの除去で焼けない《墨蛾の生息地》なので、親和専用サイドに見える《古えの遺恨》は実はかなり有効なカードだというのはちょっとした豆知識として覚えておいてください。
もし相手が《呪文滑り》を採用しているとついでで除去が効くので、無駄牌として手札で眠り続けることはないんじゃないかな、と思います。

サイドアウト候補
《漁る軟泥》、《反逆の先導者、チャンドラ》、(《タルモゴイフ》)
サイドイン候補
《魂の裏切りの夜》、《集団的蛮行》、《ゴルガリの魔除け》、《古えの遺恨》、《大爆発の魔道士》、《神々の憤怒》、《ジャンドの魔除け》、《紅蓮の達人、チャンドラ》

VS バントエルドラージ

要注意カード
《空中生成エルドラージ》、《変位エルドラージ》、《現実を砕くもの》、《希望を溺れさせるもの》、《仕組まれた爆薬》

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こうやって記事を書いていて、バントエルドラージのことを思い出すだけで手がプルプル震えます。
先ほどアブザンジャンクをジャンドより一段カードパワーが強いフェアデッキだと称しましたが、バントエルドラージは更に線が太いデッキです。
そして、問題なのが2マナランドとかいうモダン界の犯罪を犯しているがために、それなりのスピードの速さまで兼ね備えちゃっています。
ウィザーズの調整ミスだと思うんですけど。(私怨)
何より特筆すべきは、これでもかというくらいにBG系をメタっている構成をしているため、《ヴェールのリリアナ》《突然の衰微》を有効に扱える盤面をなかなか生み出してくれません。
これはバントエルドラージのデッキ内の3マナクリーチャーに由来しておりまして、それが《空中生成エルドラージ》と《作り変えるもの》です。
つまりは横並んでくるか、除去されても問題ないクリーチャーを使ってくるので、《ヴェールのリリアナ》で盤面が解決されることが少ないです。
残りの3マナ域である《変位エルドラージ》が唯一、《突然の衰微》でも《稲妻》でも綺麗に焼ける良い除去の対象となってくれるのですが、もしもこれを除去できなかった場合は《タルモゴイフ》や《怒り狂う山峡》が永遠にタップアウトされてしまって、本当に悲惨なことになります。
また、これらのクリーチャーはあくまでも前座であり、《バントエルドラージ》の本命は4マナ以上(除去耐性)タフ4以上(除去耐性)である、《難題の予見者》、《現実を砕くもの》です。
ライフが減りがちなジャンドにとって、その5点はあまりにも…痛い
《希望を溺れさせるもの》というラスボスもいて、エルドラージトークンが出て来るのもつらいし、起動型能力も最後の一押しに役立てられます。
サイドからは裏ダンジョンのラスボス《太陽の勇者、エルズペス》がやって来ることもあります。。。
RPGじゃあないんだよ、やめてくれ
土地を割るというのも一時的な時間稼ぎはできるかもしれませんが、別に相手に致命傷を与えるというわけではないんで、基本的に頼りにするのは全除去系としてサイドは頑張りましょう。

サイドアウト候補
《ヴェールのリリアナ》、《コラガンの命令》、(《稲妻》、《樹木茂る山麓》)
サイドイン候補
《滅び》、《神々の憤怒》、《叫び大口》、《スラーグ牙》、《大爆発の魔道士》、《血染めの月》、《台所の嫌がらせ屋》、《ゴルガリの魔除け》、《魂の裏切りの夜》

VS バーン

要注意カード
《アタルカの命令》、《焼尽の猛火》、《大歓楽の幻霊》、《頭蓋割り》、《跳ね返す掌》

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とにかく火力で焼いてくるバーンですが、まあメインは厳しいですね。
先手1ターン目に相手のデッキ知らない状況で、フェッチからショックイン《思考囲い》なんて動きはよくやりますが、バーン相手にやってしまえば、それはもはや相手に2カード分くらいのアドを与えてるようなものです。
また、このマッチだと《闇の腹心》は生き残ってていいこととか滅多にないですので、ブロッカー専用になるくらいの役目しか生み出せません。
一応、緑という色の特権でサイドはライフゲインカードに恵まれているので、そこから頑張りましょう。
というかですね、バーンとの相性というのはバーン用のカードを何枚あなたはサイドに入れましたか?ってとこに依存しています、本当。
メタを見て「バーンが来そうだ!」と思うメタの流れは定期的に必ず来るので、その時に《部族養い》とか専用カードでもいいんで突っ込んじゃいましょう。
サイド以後の注意ですが、相手もライフゲインを阻害してくる《頭蓋割り》を増量してくるため、必ずハンデスから入ったりタップアウトの隙を作ったりとか色々と工夫はしてください。
基本的にブロッカーとしての《タルモゴイフ》や火力手札を直接ハンデスと言ってくる《ヴェールのリリアナ》は相手は困るはずなので、それの対処等でマナを使ってもらってから、ライフゲインをしましょう。
個人的には5点以上ゲインさえできたら、大体勝てると思います。

サイドアウト候補
《闇の腹心》、《思考囲い》、《大渦の脈動》、《ピア・ナラーとキラン・ナラー》、《反逆の先導者、チャンドラ》
サイドイン候補
《台所の嫌がらせ屋》、《強情なベイロス》、《スラーグ牙》、《集団的蛮行》、《部族養い》、《ムラーサの胎動》、《吸血の絆》、《強迫》